喪服スーツ選び──最初の一着で迷わないために

「喪服のスーツはどれを選べばいいのだろう」と悩んだことはありませんか。男性の喪服スーツは、見た目こそシンプルですが、シングルかダブルか、生地の品質、サイズ感など、選ぶ際に気を配るポイントが意外と多くあります。
この記事では、男性の喪服スーツの基本的な選び方から、シングルとダブルの違い、生地の見極め方、価格帯、購入場所まで詳しく解説します。初めて喪服を購入する方はもちろん、買い替えを検討している方もぜひ参考にしてください。
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シングルとダブル──どちらを選ぶべきか
男性の喪服スーツには、大きく分けてシングルブレストとダブルブレストの2種類があります。まずはそれぞれの特徴を押さえましょう。
シングルブレストスーツの特徴
シングルブレストは、前身頃のボタンが1列に並んだデザインです。すっきりとしたシルエットで、年齢や体型を問わず着こなしやすいのが最大の魅力です。
- 2つボタン:もっとも一般的で、幅広い年代に似合います。迷ったらこれを選べば間違いありません
- 3つボタン:やや端正な印象になります。段返り3つボタン(一番上のボタンがラペルに隠れるデザイン)も人気です
初めて喪服を購入する方には、シングルの2つボタンがもっともおすすめです。流行に左右されにくく、10年以上着用できるスタンダードなデザインです。
ダブルブレストスーツの特徴
ダブルブレストは、前身頃のボタンが2列に並んだデザインで、重厚感と貫禄のある印象を与えます。
- 4つボタン(1つ掛け):比較的すっきりしたシルエットのダブル
- 6つボタン(2つ掛け):もっとも一般的なダブルのスタイルで、堂々とした印象になります
体格のよい方や年配の方に好まれる傾向がありますが、若い方が着ても問題ありません。ただし、細身の方が着るとジャケットが余って見えることがあるため、試着でのシルエット確認が大切です。
格式に違いはあるのか
結論から言えば、マナー上の格式はシングルもダブルも同じです。「ダブルの方が格が高い」という認識を持つ方もいますが、現在の弔事マナーではどちらを着用しても失礼にはあたりません。
自分の体型や好みに合った方を選んでください。ただし、最初の1着であれば汎用性の高いシングルの2つボタンを選んでおくのが無難です。
ビジネススーツとの違い──なぜ専用の喪服が必要か

「手持ちの黒いスーツで間に合わせよう」と考える方は少なくありません。しかし、ビジネス用の黒スーツと喪服用のブラックフォーマルスーツには、明確な違いがあります。
黒の深さが違う
もっとも大きな違いは黒の深さです。ブラックフォーマルスーツは「漆黒」と呼ばれる深い黒に染められており、ビジネス用の黒スーツと並べるとその差は歴然です。特に屋外の自然光の下では、ビジネススーツがグレーっぽく見えてしまい、周囲から一目で分かることがあります。
ディテールが異なる
ブラックフォーマルスーツは、ボタンにも配慮がなされています。光沢を抑えたくるみボタンや黒ボタンが使われ、華美さを排除した仕上がりになっています。ステッチ(縫い目)も目立たないように施されているのが一般的です。
ビジネススーツのように装飾的なステッチやメタルボタンが付いていると、弔事の場では浮いてしまいます。
生地の選び方──品質の見極めポイント
喪服スーツは何年も着続けるものですから、生地の品質にはこだわりたいところです。
ウール素材がおすすめ
弔事用のスーツに最適なのはウール100%、もしくはウールを主体とした混紡素材です。ウールは黒の発色がよく、自然な光沢を抑えた上品な質感が出ます。
ポリエステル100%の生地は価格が手頃ですが、テカリが出やすく、長年使うと毛玉やシワが目立つことがあります。予算が許すなら、ウール比率の高い素材を選ぶのが長い目で見てお得です。
オールシーズン対応か季節別か
喪服スーツには、オールシーズン対応のものと、夏用・冬用に分かれたものがあります。
- オールシーズン対応:1着で通年使える汎用タイプ。初めての1着に最適です
- 夏用(サマーフォーマル):薄手で通気性がよい。裏地が背抜きになっているものが多い
- 冬用:厚手で保温性が高い。重厚な印象になります
まず1着目はオールシーズン対応を購入し、必要に応じて夏用を追加するのが効率的な揃え方です。
サイズ選びのコツ──試着で確認すべきポイント
喪服は購入してから10年以上着ることも珍しくありません。体型変化も考慮したサイズ選びが重要です。
ジャケットのチェックポイント
- 肩幅:肩の縫い目が自分の肩先と一致しているか。大きすぎると落ちて見え、小さすぎると窮屈に感じます
- 胸回り:ボタンを留めたときに拳ひとつ分のゆとりがあるのが理想です
- 袖丈:シャツの袖が1~1.5cm見える長さが目安です
- 着丈:お尻がちょうど隠れる程度が標準的なバランスです
ズボンのチェックポイント
- ウエスト:指2本分程度の余裕があると、数年後の体型変化にも対応しやすくなります
- 裾丈:靴の甲に軽く触れる「ワンクッション」が弔事にふさわしい長さです。短すぎる「ノークッション」はカジュアルに見えることがあります
- 裾の仕上げ:シングル(折り返しなし)が弔事の基本です。ダブル(折り返しあり)はカジュアルな印象を与えるため避けましょう
価格帯の目安と購入場所
喪服スーツの価格は品質やブランドによって幅がありますが、おおよその目安をご紹介します。
価格帯の目安
| 価格帯 | 特徴 |
|---|---|
| 1万円〜2万円 | ポリエステル中心。急ぎの場合やとりあえず1着という方向け |
| 3万円〜5万円 | ウール混紡が中心。品質と価格のバランスがよく、もっとも人気の価格帯 |
| 5万円〜10万円 | ウール100%が中心。生地の質感や縫製が上質で、長く愛用できる |
| 10万円以上 | 高級ブランドやオーダーメイド。こだわりのある方向け |
初めての購入であれば、3万円〜5万円の価格帯がおすすめです。品質がしっかりしており、10年程度は問題なく着用できるものが多いです。
主な購入場所
- 紳士服量販店(AOKI、洋服の青山、はるやまなど):品揃え豊富で試着しやすい。セールを活用すると費用を抑えられます
- 百貨店のフォーマル売り場:スタッフの知識が豊富で、丁寧なフィッティングを受けられます
- オンラインショップ:自宅で比較検討できる利便性がありますが、サイズ感の確認が難しいのが難点です。試着サービスのある店舗を選ぶとよいでしょう
関連記事: 喪服のレンタルvs購入
なお、着用頻度が低い方にはレンタルという選択肢もあります。購入とレンタルのメリット・デメリットについては、関連記事もあわせてご覧ください。
まとめ
男性の喪服スーツ選びのポイントを整理します。
- シングルとダブルに格式の差はない。初めての1着なら汎用性の高いシングル2つボタンがおすすめ
- ビジネス用の黒スーツと喪服では黒の深さが違う。弔事には専用のブラックフォーマルを用意する
- 生地はウール100%またはウール混紡が上質。オールシーズン対応が最初の1着に最適
- サイズはややゆとりを持たせて選ぶ。ズボンの裾はシングル仕上げが基本
- 価格帯は3万円〜5万円がバランスのよい選択。紳士服量販店や百貨店で試着して購入を
弔事はいつ訪れるか分かりません。いざというときに慌てないよう、早めに1着用意しておくことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. シングルとダブル、どちらが失礼にならないですか?
A. どちらを選んでもマナー上の問題はありません。シングルもダブルも準喪服として同格です。体型や好みに合わせて選んでください。迷ったらシングルの2つボタンがもっとも無難で、年齢を問わず長く着用できます。
Q. ビジネス用の黒スーツで葬儀に参列してもいいですか?
A. 急な通夜であれば許容されることもありますが、告別式や葬儀ではブラックフォーマル専用のスーツが基本です。ビジネス用の黒は屋外の光の下で色の差が目立つため、周囲のブラックフォーマルと並んだときに浮いてしまうことがあります。
Q. 喪服スーツはどのくらいの頻度で買い替えが必要ですか?
A. 品質のよいものを適切に保管すれば、10年以上着用できます。ただし、体型の変化でサイズが合わなくなった場合や、生地のテカリ・色あせが目立つようになった場合は買い替えのタイミングです。着用後はブラッシングを行い、通気性のよい場所で保管すると長持ちします。
Q. 喪服スーツのズボンはノータックとワンタックどちらがよいですか?
A. どちらでも問題ありません。ノータックはすっきりとしたシルエット、ワンタックはゆとりのある履き心地が特徴です。体型変化への対応を考えるとワンタック、スリムな見た目を重視するならノータックがおすすめです。
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