喪服.com 編集部です。忌引き休暇は意外と「会社のルール次第」の部分が多く、思い込みで動くと損をしてしまうこともあります。よくある疑問を一つずつ整理していきます。
Q. そもそも忌引き休暇って法律で決まっているの?
決まっていません。忌引き休暇(慶弔休暇)は労働基準法に定めのない法定外休暇(特別休暇)で、日数・対象親族・有給か無給かはすべて就業規則の定めに従います。法定休暇ではないため、制度自体がない会社も存在します。
ただし、実務上は多くの企業で「親族が亡くなった際の特別休暇」として整備されており、何日くらい、誰を対象に、というのは業種を問わずある程度の標準形があります。
Q. 一般的には何日くらい取れる?
親族との関係性で日数が変わります。多くの企業で参考にされる目安は以下の通りです。
| 親族関係 | 忌引き日数の目安 |
|---|---|
| 配偶者 | 10日 |
| 父母(実父母) | 7日 |
| 子 | 5日 |
| 配偶者の父母(義父母) | 3日 |
| 祖父母(実祖父母) | 3日 |
| 兄弟姉妹 | 3日 |
| 配偶者の祖父母 | 1日 |
| 配偶者の兄弟姉妹 | 1日 |
| 孫 | 1日 |
| 叔父・叔母 | 1日 |
注意したいポイント
- 上記はあくまで一般的な目安で、自社の就業規則が最優先
- 対象を3親等以内に限定する企業が多い
- 配偶者側の親族は本人側より日数が短い傾向
- 国家公務員は人事院規則で別途定められ、配偶者・父母7日などとなっています
Q. いつから数えるの?土日も含む?
起算日と暦日の扱いも会社次第です。多いパターンは次の通り。
起算日
- 亡くなった日から数える:もっとも一般的
- 亡くなった翌日から数える:一部の企業で採用
暦日 vs 営業日
| パターン | 内容 |
|---|---|
| 暦日(カレンダー通り) | 土日・祝日を含めて数える(多数派) |
| 営業日ベース | 休日を除いた勤務日のみで数える |
たとえば父が金曜日に亡くなり「7日間」の忌引きの場合、暦日カウントなら翌週の木曜日に出勤、営業日カウントなら翌々週の火曜日復帰という違いが生まれます。
Q. 給料は出るの?無給なの?
これも企業次第です。
- 大企業・福利厚生が手厚い企業:有給扱いが多い
- 中小企業・ベンチャー:無給のケースも見られる
- そもそも忌引き制度がない:年次有給休暇で対応
無給だったり日数が足りない場合は、年次有給休暇と組み合わせて取るのが現実的な対応です。給与計算上、忌引きを欠勤と区別するかどうかも会社ごとに異なるので、人事規程を確認しておくと安心です。
Q. 会社にはいつ・どう連絡する?
訃報を受けたらできる限り早く、遅くとも翌営業日の始業前までに第一報を入れます。深夜・早朝に亡くなった場合は、朝一番の電話で構いません。
伝えるべき情報は次の5つ。
1. 誰が亡くなったか(続柄:父・義母など)
2. 亡くなった日時
3. 葬儀の日程と場所(決まっていれば)
4. 休暇の希望日数
5. 休暇中の連絡先
連絡手段は電話が最も確実で、不在ならメールで第一報+後で電話、という流れが無難です。直属の上司にまず伝えるのが基本になります。
メール文例
“`
件名:忌引き休暇のご連絡
○○課長
お疲れさまです。○○です。
昨夜、父が他界いたしました。
つきましては、忌引き休暇を○月○日から○月○日まで
○日間いただきたく、ご連絡いたしました。
葬儀は○月○日を予定しております。
休暇中の連絡先は携帯電話(090-XXXX-XXXX)までお願いいたします。
業務の引き継ぎについては、○○さんにお願いしております。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
“`
Q. 提出する書類はある?
会社によりますが、葬儀後に会葬礼状(または葬儀社が発行する死亡を証明する書類)の提出を求められることがあります。会葬礼状は基本的に1部しかもらえないことが多いので、忌引き申請に使う場合はコピーを取っておきましょう。原本は手元に残し、コピーを提出するのが一般的です。
Q. 忌引き休暇中にやるべきことは?
短い日数のなかで、葬儀準備・親族対応・職場の引き継ぎを並行する必要があります。
- 葬儀社の選定・打ち合わせ
- 親族や関係者への連絡
- 喪服の準備(手元にない場合はレンタルも選択肢)
- 業務の引き継ぎメモ・締切案件の相談
- 復帰日の伝達
喪服を急いで用意したい方は喪服のレンタルと購入、どっちがお得?で短期間で揃える選択肢を確認できます。
Q. パート・アルバイトでも取れる?
就業規則次第です。
- 正社員と同様に適用される企業もある
- 適用がなく欠勤扱いになる企業もある
- 同一労働同一賃金の流れで、非正規にも慶弔休暇を適用する企業が増加中
就業規則に明記がない場合は、まず人事担当者に確認するのが先決です。
Q. 学生の忌引きは?
学校(小学校〜大学)の規定に従います。多くの教育機関で採用される目安は次の通り。
| 親族関係 | 忌引き日数の目安 |
|---|---|
| 父母 | 7日 |
| 祖父母・兄弟姉妹 | 3日 |
| 叔父・叔母 | 1日 |
小・中・高校では出席日数に影響しないよう配慮されることが多く、大学の場合は教授や事務局に個別連絡が必要です。レポートや試験の振替も合わせて確認しておくと安心です。
Q. 友人・知人の葬儀でも忌引きは取れる?
原則として取れません。忌引きの対象は親族に限定されている企業がほとんどです。友人・知人の葬儀に参列する場合は、年次有給休暇を使うのが一般的です。
関連記事: 葬儀にかかる時間はどれくらい? / 葬儀に遅刻しそうなときの対処法
最後に
忌引き休暇は「会社が法律より厳しいルールを設けている=法定外特別休暇」という性質から、思い込みで動くと損をすることがあります。就業規則の確認+上司への早めの相談が結局いちばんの近道です。
出典・参考資料
- 厚生労働省「労働基準法」 ── 労働基準法には忌引休暇の規定がないこと(特別休暇の任意性)の根拠
- 人事院規則15-14(職員の勤務時間、休日及び休暇) ── 国家公務員の忌引休暇日数の根拠
- 厚生労働省 「同一労働同一賃金」関連法案・指針 ── 非正規労働者への慶弔休暇適用の方針
- 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ── 特別休暇制度の導入実態調査
※ 忌引休暇の日数・対象範囲・有給扱いは会社ごとに異なります。最終的な確認は必ず勤務先の就業規則と人事担当者にご相談ください。
