数珠の選び方──仏式の葬儀に欠かせないもの

仏式の葬儀に参列する際、数珠(じゅず)は欠かせない持ち物の一つです。しかし、「数珠を持っていない」「どれを選べばいいか分からない」「宗派によって違うのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、男性の数珠の選び方を基本から詳しく解説します。略式と本式の違い、素材の種類、宗派ごとの特徴、正しい持ち方、購入場所や価格帯まで網羅していますので、数珠選びの参考にしてください。
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数珠とは──なぜ必要なのか
数珠は、仏教において念仏を唱える際に回数を数えるための法具として使われてきました。「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれ、お守りとしての意味合いも持っています。
仏式の葬儀では、数珠を持参するのが基本的なマナーとされています。数珠を持たずに参列しても厳密にはマナー違反ではありませんが、焼香の際に手を合わせる姿が数珠なしでは寂しく見えることがあります。社会人として、1つは持っておきたいアイテムです。
なお、神式やキリスト教式の葬儀では数珠は不要です。宗教ごとの作法に合わせましょう。
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略式数珠と本式数珠の違い

数珠には大きく分けて略式数珠(片手念珠)と本式数珠(本連念珠)の2種類があります。
略式数珠(片手念珠)
宗派を問わず使える汎用的な数珠です。珠の数は一般的に22〜27珠程度で、片手で扱える大きさです。
- メリット:どの宗派の葬儀にも持参できる。初めての1つに最適
- デメリット:自分の宗派の正式な数珠ではないため、厳密な儀式には向かない場合がある
初めて数珠を購入する方や、自分の宗派が分からない方には略式数珠がおすすめです。一般参列者であれば、略式数珠で失礼にあたることはまずありません。
本式数珠(本連念珠)
各宗派の正式な形をした数珠です。珠の数は108珠が基本で(宗派によって異なる)、二連にして使うことが多いです。
- メリット:自分の宗派の正式な数珠として使える。格式が高い
- デメリット:他の宗派の葬儀で使うと違和感がある場合がある
自分の宗派がはっきりしている方は、本式数珠を持っておくのもよいでしょう。ただし、他の宗派の葬儀に参列する機会も多いなら、略式数珠を別に1つ用意しておくと便利です。
宗派別の数珠の特徴
主な宗派の本式数珠の特徴をご紹介します。自分の宗派に合った数珠を選ぶ際の参考にしてください。
浄土宗
二つの輪を組み合わせた「日課念珠」が特徴的です。一方の輪に20珠(弟子玉つき)、もう一方に27珠が通されています。浄土宗の数珠は形状が特に独特なので、仏具店で宗派名を伝えて購入するのが確実です。
浄土真宗
「蓮如結び」と呼ばれる独特の房の結び方が特徴です。男性用は一連の数珠で、房が「紐房」になっているのが一般的です。浄土真宗では数珠を二重にかけて片手で持つのが作法です。
真言宗
108珠の二連タイプが本式です。親珠が2つあり、房は菊房が一般的です。真言宗は他宗派に比べて珠数にこだわる傾向があります。
曹洞宗・臨済宗(禅宗系)
108珠の本連が基本です。曹洞宗では銀輪がついているのが特徴です。禅宗系の数珠はシンプルなデザインが多く、落ち着いた印象です。
日蓮宗
「勤行数珠」と呼ばれる独特の形で、5本の房がついているのが大きな特徴です。他の宗派とは明らかにデザインが異なります。
宗派が分からない場合
自分の宗派が分からない場合は、略式数珠を選べば問題ありません。略式数珠はどの宗派の葬儀にも持参でき、マナー違反になることはありません。
素材の種類──男性に人気の素材
数珠の素材は大きく分けて天然石と木製の2種類があります。男性用は女性用より珠が大きく、存在感のあるデザインが多いのが特徴です。
天然石の数珠
- 虎目石(タイガーアイ):茶色と黄色の縞模様が美しい石。男性にもっとも人気のある素材の一つです
- オニキス(黒瑪瑙):漆黒の光沢が美しく、弔事にふさわしい落ち着いた印象です
- 水晶:透明感があり、どの宗派にも合う万能な素材です
- 青虎目石(ブルータイガーアイ):深みのある青色が上品で、男性に好まれます
- 茶水晶(スモーキークォーツ):落ち着いた茶褐色の石。控えめな印象で弔事に適しています
木製の数珠
- 黒檀(こくたん):濃い茶色から黒の木材。重厚感があり男性向きです
- 紫檀(したん):赤みのある茶色の木材。落ち着いた風合いで人気があります
- 白檀(びゃくだん):かすかな香りがあり、仏事に古くから使われてきた木材です
- 星月菩提樹(せいげつぼだいじゅ):小さな黒い点(星)と大きな穴(月)が特徴的な菩提樹の実。仏教にゆかりの深い素材です
素材による格式の違いは基本的にありません。自分の好みや予算に合わせて選んでください。
数珠の持ち方──基本マナー
数珠を正しく持つことは、弔事のマナーとして大切です。
基本の持ち方(略式数珠の場合)
- 移動中・着席時:左手に持つか、左手首にかけておきます
- 合掌時:両手を合わせ、数珠を左手の親指と人差し指の間にかけます。房が下に垂れるようにしましょう
- 焼香時:左手に数珠をかけた状態で焼香を行います
やってはいけない持ち方
- 右手だけで持つ:仏教では左手が仏の世界、右手が現世を表すとされ、数珠は基本的に左手で持ちます
- ポケットに入れる:法具への敬意として、ポケットにしまうのは避けましょう
- 机の上に直接置く:数珠袋に入れるか、ハンカチの上に置くのがマナーです
- 振り回したり遊んだりする:数珠は法具です。丁寧に扱いましょう
購入場所と価格帯
数珠はさまざまな場所で購入できます。
主な購入場所
- 仏具店:品揃えが豊富で、宗派に合った本式数珠も相談できます。専門知識のあるスタッフに相談できるのが最大のメリットです
- 百貨店のフォーマル売り場:略式数珠を中心に取り扱っています。喪服と合わせて購入するのに便利です
- 紳士服量販店:喪服コーナーに略式数珠が置いてあることが多いです
- ネットショップ:幅広い価格帯と素材から選べます。レビューを参考にするとよいでしょう
価格帯の目安
| 価格帯 | 特徴 |
|---|---|
| 1,000円〜3,000円 | プラスチックやガラス珠の略式数珠。急ぎで必要な場合に |
| 3,000円〜1万円 | 天然石や木製の略式数珠。品質と価格のバランスがよい |
| 1万円〜3万円 | 上質な天然石の略式数珠や、本式数珠の入門モデル |
| 3万円以上 | 高級素材の本式数珠。一生ものとして長く使える |
初めての購入であれば、3,000円〜1万円程度の略式数珠がおすすめです。天然石や木製の珠で品質も十分なものが手に入ります。
数珠袋も忘れずに
数珠を持ち運ぶ際は、数珠袋に入れるのがマナーです。バッグやポケットにそのまま入れると、珠が傷ついたり房が乱れたりします。数珠とセットで販売されていることも多いので、購入時に合わせて用意しましょう。
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まとめ
男性の数珠選びのポイントを整理します。
- 仏式の葬儀には数珠を持参するのが基本マナー。社会人として1つは持っておきたい
- 初めての購入なら略式数珠(片手念珠)がおすすめ。宗派を問わず使える
- 素材は天然石(虎目石・オニキスなど)や木製(黒檀・紫檀など)が人気。好みで選んでOK
- 持つときは左手が基本。合掌時は親指と人差し指の間にかける
- 価格は3,000円〜1万円がバランスのよい価格帯。数珠袋も一緒に用意を
数珠は一度購入すれば何十年も使えるものです。いざという時に慌てないよう、余裕のあるときに自分に合った1つを選んでおきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 数珠を持っていない場合、葬儀に参列しても大丈夫ですか?
A. 数珠なしで参列してもマナー違反にはあたりません。ただし、焼香の際に手を合わせる姿に数珠があった方が自然ですし、周囲への印象もよくなります。コンビニや100円ショップでも簡易的な数珠が販売されていることがありますので、可能であれば調達してから参列するのがおすすめです。
Q. 他人の数珠を借りてもいいですか?
A. 数珠は個人の持ち物として貸し借りしないのが原則とされています。数珠にはお守りとしての意味もあり、持ち主の念が込められていると考えられているためです。ただし、これは絶対的な禁忌ではなく、どうしても手元にない場合に家族から借りる程度であれば問題視されることは少ないでしょう。
Q. 略式数珠と本式数珠、どちらが失礼になりませんか?
A. 一般参列者であれば略式数珠で十分です。略式数珠はどの宗派の葬儀にも対応でき、失礼にあたることはありません。本式数珠は自分の宗派の法要で使う分には最適ですが、他の宗派の葬儀では逆に違和感が出ることもあります。
Q. 女性用の数珠を男性が使ってもいいですか?
A. 男性用と女性用では珠の大きさが異なります。男性用は珠の直径が10〜12mm程度、女性用は6〜8mm程度が一般的です。女性用の数珠を男性が使うと小さすぎて手に合わないことがありますので、できれば男性用を用意してください。
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