ご不幸があったら──遺族がやるべきことの完全チェックリスト

葬儀マナー

身内に不幸があったとき、何から始めればいい?

遺族の手続き

大切な方が亡くなったとき、悲しみのなかでも遺族にはやるべきことが数多く押し寄せます。「何をすればいいのかわからない」「手順を間違えたらどうしよう」と不安を感じるのは当然のことです。

この記事では、臨終の直後から葬儀、そして葬儀後の手続きまで、遺族がやるべきことを時系列のチェックリスト形式でまとめました。いざというときに慌てないよう、全体の流れを把握しておきましょう。

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臨終直後にやること(当日)

大切な方が亡くなった直後は、気持ちの整理がつかないまま対応を迫られます。まずは以下の最低限のことを押さえてください。

死亡の確認と死亡診断書の受け取り

  • 病院で亡くなった場合: 医師が死亡を確認し、死亡診断書を作成します。退院時に受け取りましょう
  • 自宅で亡くなった場合: かかりつけ医に連絡し、死亡の確認と死亡診断書の作成を依頼します。かかりつけ医がいない場合は119番に連絡してください
  • 事故や突然死の場合: まず110番に通報します。警察の検視が行われ、死体検案書が発行されます

死亡診断書(死体検案書)は、このあとの各種手続きに必要な重要書類です。原本のコピーを5〜10部ほど取っておくことをおすすめします。

葬儀社への連絡

亡くなったら早い段階で葬儀社に連絡します。病院で亡くなった場合、病院から葬儀社を紹介されることもありますが、必ずしもそこに決める必要はありません。

  • 事前に葬儀社を決めている場合は、すぐに電話しましょう
  • 決めていない場合は、複数社に見積もりを依頼することも可能です。ただし、ご遺体の安置場所の確保が急務ですので、まずは1社に連絡して搬送を依頼するのが現実的です
  • 葬儀社が決まったら、ご遺体の搬送・安置の手配を進めてもらいます
  • 葬儀社から最初に提示される見積もりは「基本プラン」であることが多く、追加費用が発生しやすい項目(ドライアイス追加分、安置日数の延長、料理・返礼品のグレード変更など)を事前に確認しておくと安心です
  • 見積書の内訳が不明瞭な場合は、遠慮なく質問してください。項目ごとに「何にいくらかかるのか」を明確にしてもらうことが、後のトラブル防止につながります

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近親者への連絡

亡くなったことを近しい方から順に連絡します。

  • 最優先: 同居していない家族・親族
  • 次に: 故人と特に親しかった友人・知人
  • その後: 故人の勤務先や所属団体

この段階では葬儀の日程が決まっていないことが多いため、「○○が亡くなりました。葬儀の詳細は改めてご連絡します」と伝えれば十分です。深夜・早朝でも、ごく近い親族には電話で知らせるのが一般的です。

宗教者への連絡

菩提寺や教会など、宗教者がいる場合は早めに連絡します。

  • 菩提寺がある場合は住職に連絡し、枕経や通夜・告別式の日程を相談します
  • 宗教者の都合が葬儀日程に影響するため、葬儀社への連絡と並行して進めるのがポイントです

葬儀の準備(1〜2日目)

葬儀の形式と規模を決める

葬儀社との打ち合わせで、以下の内容を決めていきます。

  • 葬儀の形式: 一般葬、家族葬、一日葬、直葬(火葬式)など
  • 宗教形式: 仏式、神式、キリスト教式、無宗教式など
  • 規模: 参列者のおおよその人数
  • 会場: 葬儀場、寺院、自宅など
  • 日程: 通夜・告別式の日取り(火葬場の空き状況にも左右されます)

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遺影写真の準備

葬儀で使用する遺影写真を選びます。

  • できるだけ最近のもので、表情がよく写っているものを選びましょう
  • 集合写真からの切り出しや、背景の変更は葬儀社で対応してもらえます
  • スマートフォンのデータでも問題ありません。データをUSBメモリなどに移して葬儀社に渡しましょう

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死亡届の提出

死亡診断書の左半分が死亡届になっています。

  • 届出先: 故人の死亡地、本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場
  • 届出期限: 死亡を知った日から7日以内
  • 届出人: 親族、同居人など
  • 死亡届を提出すると火葬許可証(埋葬許可証)が発行されます。これがないと火葬ができません
  • 多くの場合、葬儀社が代行してくれます

訃報の連絡

葬儀の日程が決まったら、訃報を関係者に伝えます。

  • 連絡手段: 電話、メール、FAX、LINEなど。相手との関係性に応じて選びましょう
  • 伝える内容: 故人の名前、亡くなった日時、通夜・告別式の日時と場所、喪主の名前と連絡先
  • 香典や供花の辞退: 辞退する場合は訃報の中で明記します
  • 故人の勤務先には、訃報とあわせて退職に関する手続きの確認も必要です

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喪服・持ち物の準備

喪主や遺族も通夜・告別式に向けて服装を整える必要があります。

  • 喪主は準喪服(ブラックフォーマル)が一般的です
  • 数珠、ハンカチ(白または黒の無地)、袱紗なども用意しましょう
  • 手持ちの喪服がない場合は、レンタルや急ぎの購入も選択肢です

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通夜・告別式(2〜3日目)

通夜の流れ

通夜は一般的に亡くなった翌日の夕方から行われます。

  1. 受付開始(開式の30分〜1時間前)
  2. 僧侶入場・読経
  3. 焼香(喪主→遺族→一般参列者の順)
  4. 僧侶退場・喪主挨拶
  5. 通夜振る舞い(会食)

喪主は参列者への挨拶や、通夜振る舞いでのお礼の言葉を準備しておきましょう。

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告別式・出棺の流れ

告別式は通夜の翌日に行われるのが一般的です。

  1. 受付開始
  2. 僧侶入場・読経
  3. 弔辞・弔電の奉読
  4. 焼香
  5. 僧侶退場・閉式
  6. お別れの儀(棺に花を入れる)
  7. 喪主挨拶
  8. 出棺

告別式の後、火葬場へ移動します。火葬許可証を忘れずに持参してください。

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火葬・骨上げ

火葬場では以下の流れで進みます。

  1. 火葬炉の前で最後のお別れ・焼香
  2. 火葬(約1〜2時間)
  3. 骨上げ(収骨):箸で遺骨を骨壺に納めます。足から順に、最後に喉仏を納めるのが一般的です
  4. 埋葬許可証を受け取ります(火葬許可証に火葬済の証印が押されたもの)

精進落とし(会食)

火葬後に、僧侶や親族をもてなす会食が「精進落とし」です。

  • 喪主は冒頭に感謝の挨拶を行います
  • 僧侶が出席しない場合は、御膳料(5,000〜10,000円程度)を別途お渡しします
  • 会食の終了をもって、葬儀の一連の儀式は完了です

葬儀直後にやること(1〜2週間以内)

お礼と挨拶回り

葬儀が終わったら、お世話になった方々へお礼を伝えます。

  • 僧侶・宗教者: お布施のお礼を改めて伝えます
  • 近所の方: 葬儀中に迷惑をかけた場合は、菓子折りを持って挨拶に伺います
  • 故人の勤務先: 遺品の引き取りや退職手続きの確認をします
  • 弔電・供花をいただいた方: お礼状を送ります

香典返しの手配

香典をいただいた方へのお返しを準備します。

  • 時期: 忌明け(四十九日)を目安にお送りするのが一般的です(「忌明け返し」)
  • 金額の目安: いただいた金額の半額〜3分の1が相場です
  • 品物: お茶、海苔、タオル、カタログギフトなど「消え物」が定番
  • 会葬当日に渡す「即日返し」を行った場合は、高額の香典をいただいた方にのみ追加で品物を送ります

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各種届出・手続き

葬儀後には多くの届出や手続きが必要です。期限があるものから優先的に進めましょう。

手続き 届出先 期限の目安
年金の受給停止 年金事務所 14日以内(国民年金)/ 10日以内(厚生年金)
健康保険証の返却 市区町村役場または勤務先 14日以内
世帯主の変更届 市区町村役場 14日以内
介護保険資格喪失届 市区町村役場 14日以内
銀行口座の手続き 各金融機関 早めに(口座凍結に注意)
生命保険の請求 保険会社 3年以内(早めが望ましい)
公共料金の名義変更 各事業者 早めに

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忌明けまでにやること(〜四十九日)

四十九日法要の準備

忌明けの法要として、四十九日法要を営みます。

  • 日程の決定: 四十九日当日、またはそれより前の土日に設定するのが一般的です
  • 会場の手配: 寺院、自宅、セレモニーホールなど
  • 僧侶への依頼: 菩提寺に連絡して読経を依頼します
  • 案内状の送付: 法要の2〜3週間前を目安に参列者へ送ります
  • お供え物・返礼品の準備: 参列者へのお返しも用意しておきましょう

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仏壇・位牌・墓の準備

四十九日の忌明けまでに、以下の準備が必要になることがあります。

  • 本位牌の作成: 葬儀で使用した白木の位牌は仮のもの。四十九日までに塗りの本位牌を用意します
  • 仏壇の購入: 自宅に仏壇がない場合は、この時期に購入を検討します
  • 納骨の準備: 四十九日に合わせて納骨を行うケースが多いです。墓がない場合は墓地の手配も必要です

喪中はがきの準備(時期による)

年末に差し掛かる時期にご不幸があった場合は、喪中はがきの準備も必要です。

  • 発送時期: 11月中旬〜12月初旬に届くように送ります
  • 対象範囲: 例年年賀状をやり取りしている方全員に送るのが一般的です

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葬儀後1年間の主なスケジュール

四十九日の忌明けを過ぎても、遺族にはまだ対応すべき節目があります。以下は仏式の場合の一般的なスケジュールです。

初盆(新盆)

故人が亡くなって初めて迎えるお盆を初盆(新盆)といいます。

  • 時期: 一般的に7月または8月(地域によって異なります)
  • 準備すること: 白紋天の盆提灯を用意し、僧侶に棚経(たなぎょう)を依頼します
  • 親族や故人と親しかった方を招いて法要を行うこともあります
  • 四十九日が済んでいないままお盆を迎える場合、初盆は翌年に持ち越すのが一般的です

一周忌法要

故人が亡くなってから満1年目に営む法要です。忌明け後の法要のなかでは最も重要とされています。

  • 日程の決定: 命日の当日、またはそれより前の土日に設定します
  • 会場と僧侶の手配: 四十九日法要と同様に、寺院や自宅で行います
  • 案内状の送付: 1か月前を目安に送りましょう
  • お供え・返礼品の準備: 参列者へのお返し(引き物)を用意します
  • 一周忌をもって「喪が明けた」とする考え方が一般的です

相続手続きの期限に注意

葬儀直後は手が回らなかった相続関連の手続きも、1年以内に対応が必要なものがあります。

  • 相続放棄・限定承認: 相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述
  • 所得税の準確定申告: 相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に税務署へ
  • 相続税の申告・納付: 被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内
  • 期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する可能性があるため、早めに税理士や専門家へ相談することをおすすめします

遺族がやることチェックリスト(まとめ)

以下のチェックリストで、やるべきことの漏れがないか確認してください。

臨終直後

  • [ ] 死亡診断書(死体検案書)を受け取る
  • [ ] 死亡診断書のコピーを複数部取る
  • [ ] 葬儀社に連絡し、ご遺体の搬送を手配する
  • [ ] 近親者(家族・親族)に連絡する
  • [ ] 菩提寺・宗教者に連絡する

葬儀の準備

  • [ ] 葬儀社と打ち合わせ(形式・規模・日程・会場)
  • [ ] 遺影写真を準備する
  • [ ] 死亡届を提出し、火葬許可証を取得する
  • [ ] 訃報を関係者に連絡する
  • [ ] 喪服・持ち物を準備する

通夜・告別式

  • [ ] 通夜を執り行う
  • [ ] 告別式・出棺
  • [ ] 火葬・骨上げ
  • [ ] 精進落とし(会食)
  • [ ] 僧侶へのお布施を渡す

葬儀後(1〜2週間以内)

  • [ ] お礼の挨拶回り
  • [ ] 香典返しの手配
  • [ ] 年金の受給停止届
  • [ ] 健康保険証の返却
  • [ ] 世帯主変更届(該当する場合)
  • [ ] 銀行口座・保険の手続き
  • [ ] 公共料金の名義変更

忌明けまで(〜四十九日)

  • [ ] 四十九日法要の準備・実施
  • [ ] 本位牌の作成
  • [ ] 仏壇の購入(必要な場合)
  • [ ] 納骨の手配
  • [ ] 喪中はがきの準備(時期による)

忌明け後〜1年

  • [ ] 初盆(新盆)の準備・法要
  • [ ] 相続放棄の判断(3か月以内)
  • [ ] 準確定申告(4か月以内)
  • [ ] 相続税の申告・納付(10か月以内)
  • [ ] 一周忌法要の準備・実施

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よくある質問(FAQ)

Q. 身内が亡くなったら、まず最初に何をすればいいですか?

A. まずは死亡の確認と死亡診断書の受け取り、そして葬儀社への連絡が最優先です。病院で亡くなった場合は医師が死亡を確認してくれますので、その後すぐに葬儀社に電話してご遺体の搬送を手配しましょう。葬儀社が決まっていない場合は、病院から紹介を受けることも可能です。並行して近しい親族にも連絡を入れてください。

Q. 葬儀にかかる費用はどのくらいですか?

A. 葬儀費用は形式や規模によって大きく異なります。一般葬で150〜200万円程度、家族葬で50〜100万円程度、直葬(火葬式)で20〜50万円程度が目安です。これに加えて、お布施(15〜50万円程度)や飲食接待費がかかります。複数の葬儀社から見積もりを取ることで、適正な費用を把握できます。

Q. 葬儀社を事前に決めていない場合、どうすればよいですか?

A. 病院や施設から紹介を受けることができますが、急いでいるからといって比較せずに決めてしまうのは避けたいところです。まずは1社に連絡してご遺体の搬送と安置をお願いし、その後で正式な契約をする前に見積もりの内容をしっかり確認しましょう。信頼できる親族や知人に相談するのもよい方法です。

Q. 死亡届は誰が出しに行くのですか?

A. 死亡届の届出人になれるのは、親族、同居人、家主、後見人などです。ただし実際の提出(届出書を役所に持っていく作業)は、葬儀社が代行してくれるケースがほとんどです。届出人欄への記入・押印は遺族が行い、提出は葬儀社に任せるという流れが一般的です。

Q. 葬儀社との打ち合わせで注意すべきポイントはありますか?

A. 最も大切なのは、見積もりの内訳を細かく確認することです。「一式」とまとめられている項目は、何が含まれていて何が別途費用になるのかを具体的に聞きましょう。特にドライアイスの追加費用、安置の延長料金、料理や返礼品のランク変更費用は追加が発生しやすい項目です。また、見積もりは書面でもらい、口頭での説明だけで済ませないようにしてください。

Q. 葬儀後の手続きが多すぎて、何から手をつければいいですか?

A. まずは期限が短いものから優先しましょう。年金の受給停止届(10〜14日以内)、健康保険証の返却(14日以内)、世帯主変更届(14日以内)は特に急ぎの手続きです。それ以外の手続きは、葬儀後1〜2週間で落ち着いてから順番に進めれば問題ありません。手続きの一覧表を作って、完了したものにチェックを入れていく方法がおすすめです。