数珠の持ち方・選び方|宗派別の違いと葬儀での正しい使い方

喪服調査員の藤井です。

数珠の持ち方は宗派によって異なりますが、基本を押さえておけば安心ですよ。

葬儀での数珠──なぜ必要?どう持つ?

仏式の葬儀に参列するとき、数珠(じゅず)は欠かせない持ち物とされています。しかし「正しい持ち方がわからない」「宗派によって違うの?」と不安に感じる方は少なくありません。

数珠は仏教で念仏を唱える際に回数を数える法具として使われてきたもので、「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれます。葬儀で数珠を手にかけるのは、故人への敬意と祈りの気持ちを表す大切な作法です。

この記事では、葬儀での数珠の正しい持ち方を宗派別に解説し、選び方や購入場所まで幅広くご紹介いたします。

数珠の基本的な持ち方

宗派によって数珠の形状や使い方は異なりますが、共通する基本マナーがございます。

移動時・着席時の持ち方

  • 左手首にかけるのが基本です
  • バッグや上着のポケットにしまったままにせず、手元に持っておきましょう
  • テーブルや椅子の上に直接置くのは避け、数珠袋に入れるか左手に持ちます

合掌時の持ち方

  • 両手を合わせ、親指と人差し指の間に数珠をかけます
  • 房(ふさ)は下に垂らします
  • 数珠の輪が手首からぶら下がるような持ち方はふさわしくありません

やってはいけないこと

  • 数珠を振り回す・音を鳴らす──法具であり、おもちゃではありません
  • 他人の数珠を借りる──数珠は持ち主のお守りとされるため、貸し借りは避けましょう
  • 椅子やテーブルに置きっぱなし──使わないときは数珠袋に入れるか左手で持ちます

宗派別の数珠の違いと持ち方

仏教の宗派によって、数珠の形・珠の数・持ち方が異なります。ここでは代表的な宗派の特徴をまとめます。

浄土宗

項目内容
数珠の形二連(二重)タイプ。2つの輪を組み合わせた独特の形状
珠の数主珠が27珠×2連、副珠が各6珠と10珠
持ち方両手の親指にかけ、房を手前(自分側)に垂らす

浄土真宗

項目内容
数珠の形門徒念珠(もんとねんじゅ)と呼ばれる。本願寺派と大谷派で形が異なる
珠の数108珠の本式が正式だが、略式も可
持ち方二重にして合掌した両手にかけ、房を下に垂らす。本願寺派は房を下に、大谷派は房を左手側に垂らす

真言宗

項目内容
数珠の形振分数珠(ふりわけじゅず)。108珠の本連を二重にして使う
珠の数108珠(本式)
持ち方二重にして両手の中指にかける。房は手の甲側に垂らす

日蓮宗

項目内容
数珠の形独特の5本房。中指にかけるのが特徴
珠の数108珠
持ち方二重にして右手の中指に2本の房を、左手の中指に3本の房をかける

曹洞宗・臨済宗(禅宗系)

項目内容
数珠の形看経念珠(かんきんねんじゅ)。銀の輪が付いているのが特徴
珠の数108珠
持ち方二重にして左手にかけ、合掌時は両手にかける。房は下に垂らす

天台宗

項目内容
数珠の形平珠(ひらだま)と呼ばれる扁平な珠を使う
珠の数108珠
持ち方人差し指と中指の間にかけて合掌。二重にはしない

略式数珠と本式数珠の違い

数珠には大きく分けて「略式(片手数珠)」と「本式(本連数珠)」がございます。

略式数珠(片手数珠)

  • 珠の数は22〜27珠程度
  • 宗派を問わず使える万能タイプ
  • 1つの輪を片手にかけるシンプルな形
  • 初めて購入する方や、自分の宗派がわからない方におすすめ
  • 価格帯は1,000〜5,000円が中心

本式数珠(本連数珠)

  • 珠の数は108珠が基本
  • 宗派ごとに形状・持ち方が決まっている
  • 家の宗派に合わせて選ぶ必要がある
  • 格式が高く、法事や正式な場面に適している
  • 価格帯は5,000〜30,000円以上

どちらを選ぶべき?

状況おすすめ
葬儀に初めて参列する略式数珠
自分の宗派がわからない略式数珠
家の宗派が決まっている本式数珠
仕事関係の葬儀が多い略式数珠(宗派を問わないため便利)
法事で施主を務める本式数珠

迷ったら略式数珠を1つ持っておけば、ほとんどの場面で失礼にはなりませんので、ご安心ください。

焼香時の数珠の扱い方

焼香(しょうこう)の際、数珠をどうするかは意外と迷いやすいポイントです。

焼香の流れと数珠の扱い

1. 焼香台の前に進み、遺族・僧侶に一礼する

2. 数珠を左手にかけたまま、右手で抹香(まっこう)をつまむ

3. 抹香を香炉にくべる(宗派によって回数が異なる)

4. 両手を合わせて合掌──このとき数珠を両手にかけ直す

5. 一礼して席に戻る

焼香中は数珠を外さず、常に左手に持ったまま動作するのがポイントです。右手は焼香に使いますので、左手で数珠を保持いたします。

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数珠の選び方──素材・色・サイズ

素材の種類

素材特徴価格帯
木製(白檀・紫檀・黒檀)軽くて温かみがある。香り付きもある2,000〜10,000円
天然石(オニキス・水晶・翡翠)美しく重みがある。お守り的な意味合い3,000〜30,000円
真珠(パール)女性に人気。上品な印象5,000〜20,000円
プラスチック・ガラス安価で手に入りやすい500〜2,000円

男女での違い

  • 男性用: 珠が大きめ(12mm前後)。黒檀・虎目石などが人気
  • 女性用: 珠が小さめ(8mm前後)。水晶・ローズクォーツ・パールが人気
  • 兼用: 略式数珠は男女兼用のものも多い

色の選び方

弔事用の数珠に厳密な色の決まりはございませんが、落ち着いた色合いが無難とされています。

  • 黒・茶・紫・透明(水晶)が定番
  • 房の色も落ち着いたもの(紫・グレー・藤色など)を選ぶと弔事に合います
  • 派手な色の房やビーズ装飾は避けましょう

数珠の購入場所と価格帯

購入先価格帯メリット
仏具店3,000〜30,000円宗派別の相談ができる。品質が高い
百貨店(フォーマル売場)3,000〜20,000円実物を見て選べる
Amazon・楽天500〜10,000円種類が豊富。レビューを参考にできる
100円ショップ100〜300円急な場合の応急用。品質は最低限
コンビニ500〜1,500円深夜・早朝でも買える

初めて買うなら、仏具店か百貨店で3,000〜5,000円の略式数珠を選ぶのがバランスの良い選択です。長くお使いいただけて、どの宗派の葬儀にも持参できます。

数珠を持っていない場合

「急な葬儀で数珠がない」というケースもございます。

  • 数珠なしでも参列は可能です。数珠を持たないことは厳密にはマナー違反ではありません
  • ただし周囲が全員持っていると気まずい思いをすることがありますので、可能であれば事前にご用意ください
  • コンビニや駅の売店で簡易的な数珠が手に入ることもあります
  • 神式・キリスト教式の葬儀では数珠は不要です

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まとめ

  • 数珠は左手にかけるのが基本。合掌時は両手にかけ直す
  • 宗派によって数珠の形・持ち方が異なるが、略式数珠なら宗派を問わず使える
  • 初めて買うなら3,000〜5,000円の略式数珠がおすすめ
  • 焼香中も数珠は左手に持ったまま──外さない
  • 他人の数珠を借りるのはNG。1つは自分用を持っておく

迷ったときは、故人を敬い、祈りの気持ちを大切にすることが一番のマナーです。

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よくある質問(FAQ)

Q. 数珠は宗派が違うものを使っても問題ありませんか?

A. 略式数珠であれば宗派を問わず使えるため問題ありません。本式数珠の場合は宗派ごとに形状が異なるため、自分の宗派に合ったものを選びましょう。参列先の宗派に合わせる必要はなく、自分の宗派の数珠を持参すればOKです。

Q. 数珠はいつ購入するのがよいですか?

A. 葬儀は突然やってくるものですので、余裕のあるうちに準備しておくのがベストです。「不幸を予想して縁起が悪い」と考える方もいらっしゃいますが、数珠は仏教のお守りでもありますので、事前にご用意いただいても問題ございません。

Q. パールの数珠はマナー違反ですか?

A. パールの数珠は女性に人気があり、マナー違反ではありません。ただし、一般的な仏教の数珠とは素材が異なるため、格式の高い法事では木製や天然石の数珠のほうが無難とされています。通常の葬儀や告別式であれば問題なくお使いいただけます。

Q. 子どもにも数珠は必要ですか?

A. 小学校低学年以下であれば数珠は不要です。小学校高学年以上になると持参したほうがよいとされますが、必須ではありません。子ども用の小さめの数珠も販売されております。