喪主の挨拶|通夜・告別式・精進落とし・法要の例文集

喪服.com 編集部です。喪主の挨拶は「葬儀全体の時間軸」で整理しておくと、当日の頭の中が驚くほど楽になります。本記事では訃報直後の準備から法要まで、時系列で例文と組み立て方をまとめました。

訃報直後〜葬儀前日|挨拶の準備フェーズ

通夜の前日までにやっておきたいのは、挨拶を「すべて自作する」ことではなく、話す場面と長さを把握しておくことです。喪主が挨拶をするタイミングは葬儀社との打ち合わせで案内されますが、おおむね次の5場面です。

タイミング場面目安の長さ
1通夜の終了時1〜2分
2通夜振る舞いの開始時30秒〜1分
3告別式の終了時(出棺前)2〜3分
4精進落としの開始・終了時各1〜2分
5法要(四十九日・一周忌など)1〜2分

すべて暗記する必要はありません。メモを読み上げて構いませんし、感極まって声が詰まってもまったく失礼ではありません。プロの司会者も原稿を見ながら話すのが普通です。

全場面で共通の注意点

  • 忌み言葉を避ける:重ね重ね・たびたび・再び・引き続き・死ぬ・生きていた頃 など(重ね言葉や直接的すぎる表現)
  • 宗派による違い:「ご冥福をお祈りします」は浄土真宗では使わないのが慣例とされます(亡くなった方は速やかに極楽浄土へ往生するという教義のため、「冥福(暗い世界での幸せ)を祈る」表現は合わないとされる)
  • 故人のエピソードを1つだけ盛り込むと、定型文でも温度が変わる

通夜の終了時|開式から最初の挨拶へ

通夜式の最後、参列者にむけて行う挨拶です。明日の告別式の案内と通夜振る舞いへの誘導を兼ねます。

基本の例文

> 本日はお忙しい中、〇〇(故人名)の通夜にご参列いただき、誠にありがとうございます。

>

> 皆さまに温かくお見送りいただき、故人もさぞ喜んでいることと存じます。

>

> 明日の告別式は〇時より、こちらの会場にて執り行います。ご都合がよろしければ、ぜひお越しいただければ幸いです。

>

> なお、ささやかではございますが別室にお食事をご用意しております。お時間が許すようでしたら、ぜひ故人を偲びながらお召し上がりください。

>

> 本日は誠にありがとうございました。

闘病の末に亡くなった場合

> 本日はお忙しい中、〇〇の通夜にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

>

> 〇〇は約△ヶ月の闘病生活を経て、去る〇月〇日、家族に見守られながら静かに息を引き取りました。享年〇〇歳でした。

>

> 入院中にはたくさんの方にお見舞いをいただき、本人もとても心強かったことと思います。皆さまのお気持ちに、遺族一同、心より感謝申し上げます。

突然亡くなった場合

> 本日はお忙しい中、〇〇の通夜にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

>

> 〇〇は去る〇月〇日、突然の出来事で帰らぬ人となりました。あまりに急なことで、私ども家族もまだ気持ちの整理がつかない状況です。

>

> このように大勢の方にお集まりいただき、故人もきっと感謝していることと存じます。

通夜振る舞いの開始時|短く一言

通夜振る舞いは別室での会食です。開始のタイミングで30秒〜1分の短い挨拶を入れます。

> 本日はお越しいただき、ありがとうございました。ささやかではございますが、お食事を用意しております。お時間の許す限り、故人を偲びながらお召し上がりください。

着席した順から食事を始めても問題ありません。長い挨拶は不要なので、感謝を伝えて頭を下げれば充分です。

告別式の終了時(出棺前)|葬儀全体で最も重要な挨拶

葬儀全体のなかで、もっとも参列者の注目が集まる場面です。故人の人柄が伝わるエピソードを1つ入れるのがコツ。

基本の例文

> 遺族を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。

>

> 本日はお忙しい中、〇〇(故人名)の葬儀ならびに告別式にご参列いただき、誠にありがとうございます。また、たくさんの弔辞や心遣いを頂戴し、遺族一同、深く感謝申し上げます。

>

> 生前の〇〇は△△な人柄で、□□(具体的なエピソードを1つ)。

>

> これほど多くの方にお見送りいただき、〇〇も安心して旅立てることと存じます。

>

> 残されました私どもは未熟者ではございますが、今後とも故人同様のご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

>

> 本日は誠にありがとうございました。

エピソードの差し込み例

仕事熱心だった父:

> 父は定年まで40年間、〇〇会社に勤め上げました。仕事一筋の人でしたが、休日には庭の手入れをするのが唯一の楽しみでした。

家族思いの母:

> 母はいつも家族のことを第一に考える人でした。体調を崩してからも「みんなに迷惑をかけたくない」と口にしておりました。

交友が広かった人:

> 〇〇は友人に恵まれた人生でした。本日これほど多くの方にお集まりいただいたことが、何よりの証だと思っております。

参列者が立ったまま聞いている場合は2分以内が望ましいです。長くなりすぎず、感謝を中心に組み立てましょう。

精進落としの開始時|火葬後の食事の前に

火葬を経て会場に戻ったあと、故人を偲ぶ食事の場で開式の挨拶をします。

> 本日は最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございます。おかげさまで、〇〇の葬儀を滞りなく終えることができました。

>

> ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。お疲れのことと存じますが、お時間の許す限り、故人を偲びながらお召し上がりください。

精進落としの終了時|閉式の挨拶

会の締めの挨拶です。長居しすぎず、感謝で締めます。

> 本日は長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。

>

> 名残惜しくはございますが、そろそろお開きとさせていただきます。これからも変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

>

> 本日は誠にありがとうございました。お気をつけてお帰りください。

精進落としそのものの流れや費用については精進落としとは?マナー・挨拶例文・費用・メニューで詳しく整理しています。

四十九日・一周忌など、後日の法要

葬儀から日を置いて行う法要でも、喪主の挨拶は必要です。

四十九日法要の冒頭

> 本日はお忙しい中、〇〇の四十九日法要にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

>

> 早いもので、〇〇が旅立ってから四十九日が経ちました。皆さまの温かいお心遣いのおかげで、遺族一同、少しずつ前を向けるようになってまいりました。

>

> 本日は法要のあと、お食事の席を設けております。お時間の許す限り、おくつろぎください。

一周忌法要の冒頭

> 本日はお忙しい中、〇〇の一周忌法要にご列席いただき、誠にありがとうございます。

>

> 月日が経つのは早いもので、〇〇が亡くなりましてから一年が過ぎました。この一年、皆さまには大変お世話になり、心より感謝申し上げます。

>

> ささやかではございますがお食事をご用意しておりますので、どうぞごゆっくりお過ごしください。

法事の服装は時期によって変わります。三回忌以降は三回忌以降の法事の服装で平服化のルールを確認しておきましょう。

どうしても挨拶できそうにないとき

声が出ない、立てる体力がない、という場合は無理をしないでください。

  • 司会者または葬儀社が代読
  • 親族の代表(兄弟・配偶者など)が代読
  • 短い感謝の言葉だけにとどめ、後日のお礼状で詳しく書く

挨拶は「完璧な原稿を読み上げること」ではなく、「参列してくれた方々への感謝と、故人への想いを伝えること」が本来の目的です。手段は柔軟に選んで構いません。

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出典・参考資料

※ 宗派により儀礼や言葉づかいが異なります。実際の挨拶内容は菩提寺・葬儀社ともご相談ください。